【統計講師が解説】統計検定4級とは?難易度・勉強方法をまとめて1記事で解説!

企業をはじめ様々な分野でデータの活用がうたわれるなか、統計やデータサイエンスは21世紀における必須教養といっても過言ではない学問となっています。

しかし、将来のために統計知識を得たくても何から始めればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。そんな方に統計学習の一歩目としておすすめしたいのが統計検定 4級です。

本記事では、実務経験があるデータサイエンティストの監修のもと、統計検定4級の難易度や勉強方法について網羅的に解説していきたいと思います。

記事の最後にはおすすめの本・学習サイト・講座までご紹介させていただいてますので、ぜひ最後までご覧ください。

監修者
經田 原弘
東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻修了。大学時代は3次元の医療データの平滑化処理を研究テーマとし、大学院時代はJAXAと協業し、月探査機かぐやの衛星データから、月面上の水の存否について調査していた。新卒では株式会社リクルートにてレコメンドシステムの開発等に従事し、現在は製造業系スタートアップにてデータサイエンティストとして勤務。応用情報技術者試験・E資格合格者。

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目次

統計検定4級の試験概要

統計検定とは?

出典:統計検定公式HP

「統計検定」とは、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。

統計検定の各級の分類を行うと、①数理・統計知識が身につくもの ②統計調査の知識が身につくもの ③データサイエンティストとしての分析・実装能力が問われるもの の3つに大別されます。

身に付く知識統計検定の分類
数理・統計の知識が身につく統計検定4級~1級
統計調査の知識が身につく統計調査士、専門統計調査士
データサイエンスの知識が身につくデータサイエンス基礎・発展・エキスパート

中でも数字がつく4級〜1級の5種別はオーセンティックな数理・統計知識を問う試験です。問題形式は選択式ですが、統計用語の解説に加えて、数式を覚えて実際に計算して解いていくような問題が多く、まさに「理論」としての統計学の理解を問う試験形式になっています。

統計検定5種別の試験レベル

各級で学べることをまとめた表が以下の表です。

資格名学べること
統計検定 4級データや表・グラフ、確率に関する基本的な知識と具体的な文脈の中での活用力
統計検定 3級データの分析において重要な概念を身に付け、身近な問題に活かす力
統計検定 2級大学基礎科目レベル(1~2年次)の統計学の知識の習得度と活用のための理解度を問う
統計検定 準1級2級で求められる統計学基礎に加え、各種統計解析法の使い方および解析結果の正しい解釈
統計検定 1級大学専門課程(3・4年次)で習得すべきで求められる統計数理・統計応用の知識

中でも、統計検定4級の出題範囲には、標本調査」や「データの代表値」など、データの見方に関する知識が中心に出題されます。後続の統計学習に必要となる「基礎の基礎」が含まれており、初学者が入口として学ぶ難易度としては最適なレベルになっています。

ちなみに編集部では周辺の級である統計検定3級、2級の難易度や勉強方法を解説した記事も用意しています。興味のある方はぜひ下記リンクからご覧ください。

統計検定とデータサイエンスの関係は?

統計を学習される方の中にはデータサイエンスへと勉強を発展させていきたい方も多くいらっしゃると思います。

統計検定で身についた知識はデータサイエンティストに必要なスキルとどう関係するのでしょうか? データサイエンス協会の公式資料をもとに見ていきます。

一般社団法人データサイエンティスト協会が定義するデータサイエンティストに求められるスキルセットとしては、①ビジネス力 ②データサイエンス力 ③データエンジニアリング力の3つと定義されています。

統計検定はデータサイエンスのなかでも特に数理統計の知識・スキルアップが見込める資格です。機械学習のモデル構築の前提となる統計知識を幅広く学習することができるため、汎用性の高いスキルの土台が身につくことが統計検定のメリットと言えるでしょう。

統計検定4級の難易度

出題範囲

統計検定 4級の出題内容はデータの読み方が中心となっているため、難易度としては中学・高校数学の知識があれば解ける問題がほとんどです。

統計検定3級以上に見られるような複雑な数式をあてはめて解くような問題が少なく、暗記や知識を問う科目が多いため解くハードルとしてはそこまで高くないでしょう。

統計検定 4級の出題範囲

大項目小項目
統計的問題解決の方法PDCA(PPDAC)サイクル
データの収集データの種類、標本調査
統計グラフ基本的なグラフ[棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフなど]の見方・読み方
データの集計度数分布表、ヒストグラム[柱状グラフ]
データの代表値平均値・中央値・最頻値
分布の散らばりの尺度とグラフ表現範囲、箱ひげ図
クロス集計表2 次元の度数分布表、行比率、列比率
時系列データの基本的な見方指数・増減率
確率の基礎確率、樹形図

サンプル問題(過去問)

次は実際に過去問サンプル問題をみて出題の難易度を確認していきます。統計検定4級は2級以上の級とは違い、数学知識を問う問題というよりは、統計用語や定義を問う問題が多いです。

下記の問題はいずれも2021年の6月試験の過去問から抽出したサンプル問題です。

サンプル問題①:データの種類

こちらは提示されたデータが量的なものか、質的なものかを問う問題です。データの種類の概念さえわかっていれば解答は容易です。

サンプル問題②:ヒストグラム

こちらはヒストグラムの見方を問う問題になっています。各グラフ(棒グラフ、線グラフ、ヒストグラムetc)の使い方やビジュアライズの方法がわかれば解ける問題であることがわかります。

統計検定4級の合格率・合格点

次は公式資料をもとに、周辺の級である4級、2級との合格率の違いを見ていきましょう。

試験種別合格率合格者数受験者数
統計検定 4級72.8%107147
統計検定 3級75.6%242320
統計検定 2級34.1%249731
2021年6月20日・11月21日実施試験のデータをもとにUkatta編集部が独自に作成。

2021年実施の統計検定4級の合格率は72.8%と、他の級と比較しても易しい難易度です。

ただし、統計検定4級の合格点は100点満点で70 点以上と高い水準にあります。問題数が30問であることを考えると、9問不正解が発生すると不合格という計算になり、1問あたりの重みが大きいことを留意しておきましょう。

合格に必要な勉強時間

編集部の調べでは統計検定4級の目安の学習時間は、大体10~30時間です。中には、4日の学習で84点(100点満点中)を取得できたという体験談もありますので、短期間で準備しても合格が狙えるレベルであることがわかります。

最短2週間で合格できる?統計検定4級の勉強方法

ここからは編集部で調べた実際の合格者の体験談をもとに、具体的な勉強方法についてみていきます。統計検定4級合格までの段取りは主に4つあります。

STEP①:勉強時間を見積り、学習計画を立てる

数学の前提知識がどれくらいあるかに依存するものの、合格者の体験談を見る限り4級であれば10~30時間程度、2週間~1か月程度の学習期間を見積るとよさそうです。

STEP②:過去問を解く

まず部分的にも過去問を解いてみて、自分の実力を測ります。実際に解いてみないと、「合格点にどの程度届いていないか」「1問にかかる時間」など正確に現在値を測ることが難しくなります。

過去問の解答には標準テキストを活用しましょう。1冊で6回分の試験に相当するため、これ1冊を購入すれば試験範囲はほぼカバーできます。

STEP③:出題範囲表と照らし合わせ、苦手分野を明らかにする

統計検定では「問題のなかに出てくる単語を出題範囲表から逆引きする」というアプローチをとると、自身の苦手分野が明らかになり学習効率が高くなります。

サンプル問題:クロス集計表

具体的にサンプル問題を見ながら説明していきます。

統計検定4級の問題では大抵の場合、設問内の設問に試験範囲となる語句が記載されています。たとえば下記の問題には、設問内に「クロス集計表」という単語が記載されています。

次はこれを出題範囲表の中から逆引きしましょう。

そして「クロス集計」という語句を出題範囲表のなかで調べると、同じ分野の他の語句には「行比率」「列比率」などもその分野において重要な単語であることがわかるでしょう。

STEP④:合格基準である7割を満たしたら受験

統計検定4級は7割以上の点数を満たせば、合格基準をうわまります。6割でも受かるケースもありますが、万全を期するためには7割以上過去問で取得できていれば安心と言えるでしょう。

統計検定4級対策のおすすめ参考書

ここからは編集部がおすすめする統計検定4級対策の参考書を紹介していきます。おすすめする本の数は3冊と少ないですが、逆にいえばこの3冊のみで試験対策は万全です。

【全体像理解に】統計検定4級対応 「データの活用」

『統計検定4級対応 「データの活用」』は試験範囲の確認や教科書的に理論を学ぶのに活用しましょう。

試験運営団体から認定を受けた「日本統計学会」が発行する「公式」の参考書になっているため、試験範囲と完全準拠した内容になっています。

試験範囲がアップデートされたとしても常に本書の最新版を買っておけば、対策モレなどが発生しないので、ぜひ購入しておきましょう。

【過去問】日本統計学会公式認定 統計検定 3級・4級 公式問題集[2018〜2021年]

「公式」と名のつく通り実際に出題されている問題であるため、統計検定2級を受けるときには必須の問題集です。

統計検定は用語を問う問題に加え、実際に数式を覚えて計算する問題も多いため、問題演習でのアウトプットが合格に直結します。

過去問は標準テキストを活用しましょう。1冊で6回分の試験に相当するため、これ1冊を購入すれば試験範囲はほぼカバーできます。

【3級、2級以上を目指す向け】完全独習 統計学入門

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「完全独習 統計学入門」は3級と2級の試験範囲が良い塩梅で重複しており、まさに2級以上を見据えて学習したい方にピッタリの参考書になります。

本書は数式よりも国語的な理解を促すことが特徴で、中学校で習う数学(ルートと1次不等式)から解説してもらえるなど計算式の解説が丁寧であることから、文系読者でも統計検定2〜3級の知識を独習することができます。

2部構成になっており、1部では「ヒストグラム」「標準偏差」など初歩からスタートしながらも、2級の出題範囲である「検定」「区間推定」という統計学の最重要項目に最短時間で到達することを目指しています。

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この記事を書いた人

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