本記事では資格試験・人工知能プロジェクトマネージャー試験の取得メリット・難易度・勉強方法まで網羅的に解説していきます。
- 人工知能 (AI) プロジェクトマネージャー試験は、AIが関わるプロジェクトを推進するために必要な知識を網羅的に身につけるための試験です。
- 合格者には当法人認定資格「人工知能プロジェクトマネージャー」(商標登録済)が授与されます。
- 一般社団法人新技術応用推進基盤が実施する資格試験です。
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人工知能プロジェクトマネージャー試験の概要・取得メリット
試験概要
人工知能プロジェクトマネージャー試験のおすすめ度
人工知能プロジェクトマネージャー試験では、AIをビジネスに実装するためのプロジェクトマネジメントのプロセスを網羅的に学べる試験です。試験分野は7つに大別され、「目標設定能力」「統計的理解」「統計的実装力」「モデルの評価・改善能力」「システム構築能力」「プロジェクト推進能力」「法令理解」と幅広い知識が問われます。
また、合格者には当法人認定資格「人工知能プロジェクトマネージャー」(商標登録済)が授与されます。
資格名 | 人工知能プロジェクトマネージャー試験 |
主催団体 | 一般社団法人 新技術応用推進基盤 公式ホームページ |
難易度 | 中 |
種別 | 民間資格 |
合格率 | 非公開 |
受験費用 | 個人お申込:18,700円(消費税込み) 大学等教育機関を通したお申込み:8,800円(消費税込み) 企業等の法人様を通したお申込み:受験人数等に応じた割引あり |
試験日程 | 毎月1回 |
受験会場 | ご自身のパソコンから受験可能 |
受験資格 | 特になし |
人口知能プロジェクトマネージャー試験は、AI・機械学習のプロジェクトにおいて、企画から実装、検証までのプロセスを一気通貫して行える人材を育成することを目標としています。AIの知識を広範囲に問うG検定やデータサイエンティスト検定、Pythonやプログラミングなどの実装スキルを問うE資格などとは異なり、プロジェクトの上流~下流までの推進における実務的な知識を問うことが特徴です。
取得メリット:AIプロジェクト推進の知識が体系的に学べる
最大のメリットとしては、人工知能プロジェクトマネージャーに必要な知識が体系的に学べるという点だと思います。筆者が実務でAI・機械学習のプロジェクトマネジメントをしていくなかでも、出題範囲である「目標設定能力」「統計的理解」「統計的実装力」「モデルの評価・改善能力」「システム構築能力」「プロジェクト推進能力」「法令理解」は非常に大切な知識だと考えます。
「自分が関わっているプロジェクトに人工知能系の技術を導入しようと考えている方」や、「人工知能系の職種に転向したいと考えている方」や、「純粋にAIのプロジェクトに興味がある方」は受験を検討してみてはいかがでしょうか?
人工知能プロジェクトマネージャー試験の難易度
人工知能プロジェクトマネージャー試験の合格率は公開されていませんが、試験の出題範囲が広いため、難易度はやや高いと想定されます。
合格点・合格率
990点満点中85%程度の正答率と、問題に対しての正答率の要求は高いです。
※試験に応じ合格水準は調整が入る場合があります
合格率に関しては2022年時点では非公表です。
合格に必要な勉強時間
合格率と同様、合格者体験談に関する情報が殆ど公開されていません。
Ukatta編集部でサンプル問題を確認し、実務者の視点からどの程度の勉強時間が必要なのかを見積もってみました。
以下、分野別の出題概要と具体例です。
分野名 | 出題概要 | 具体例 | 推定勉強時間 |
目標設定力 | 適切な思考方法・プロセスが身についているか問われます | ・人工知能で何の課題を解決すべきか ・それは組織全体の課題の中でどんな意味をもつのか ・どういう状態になれば解決されたといえるのか | 3週間 |
統計的理解 | 統計学の知識について問われます | ・回帰分析、決定木SVM、NNなど各手法の概要理解 ・ハイパーパラメータの理解 ・目的変数と説明変数の選択への理解 | 3週間 |
統計理解の実装力 | 統計モデルの実装方法についての理解度が問われます | ・Python/R等の基本的なプログラミング言語への理解 ・各種ライブラリへの理解と利用力 ・各種統計ツールへの理解 | 2週間 |
モデルの評価/向上能力 | 構築したモデルの評価方法や改善方法について問われます | ・”良いモデル”とはなにか ・”良いモデル”とする為の前処理のノウハウ ・”良いモデル”とする為のパラメータフィッティングノウハウ | 2週間 |
システム構築能力 | システム構築に関する知識について問われます | ・エッジコンピューティングのNW構成をどうするか ・セキュリティを担保したDB構成はどうするか ・商用化におけるモデルアップデート方法はどうするか | 2週間 |
プロジェクト推進能力 | プロジェクトマネージメントに関する知識について問われます。 | ・稼働管理 / 線表の引き方 ・遅延リスクの予測と解決策の提示力 | 1週間 |
法令理解 | 人工知能プロジェクトに必要な法令知識が身についているか問われます。 | ・データ / モデルの所有権は誰にあるか ・ プロジェクト中の技術的発見の所有権は誰にあるか ・NDA(秘密保持契約)の締結について | 1週間 |
以上からわかる通り、「目標設定能力」「統計的理解」「統計的実装力」「モデルの評価・改善能力」「システム構築能力」「プロジェクト推進能力」「法令理解」に関する幅広い範囲の知識が問われています。ただ、問題の難易度としてはそこまで高くないと感じたため、完全初学者の方でも数ヶ月間しっかり対策をすれば合格できるでしょう。
特に、この中で「法令理解」や「プロジェクト推進力」の分野は暗記の部分が大きいため、1~2週間短期間集中して勉強すれば、問題が解けるようになると思います。一方で、「目標設定力」や「統計的理解」の分野の知識を短期間で身につけることは比較的難しいと思うものの、問題の難易度がそこまで高くないことから、基礎を固めれば十分太刀打ちできるでしょう。
以上を踏まえた筆者の考えとしては、分野別の推定勉強時間を全て足し合わせると14週間であることから、完全初学者の方でも3 ~ 4ヶ月程度勉強をすれば十分合格できるという結論に至りました。
人工知能プロジェクトマネージャー試験の勉強方法
まずは、公式サイトより、サンプル問題を確認しましょう。その上で、自分が特に苦手な分野から勉強を進めましょう。
勉強方法は大きくオンライン講座と、本を用いた独学があります。それぞれのおすすめの講座・本を解説していきます。
おすすめ講座
目標設定能力: AI開発のプロがプロジェクトの設計から運用までを解説!失敗しない為のAIプロジェクトマネジメント入門講座
本講座は、AI/DXプロジェクトを6つの開発ステップ別に分けて、各ステップで重要なポイントを理解しながら、プロジェクトを成功させる為のマネジメント方法を身に付けます。また、実際に自社で成功したAI/DXプロジェクトの実例の紹介を交えながら、具体的にイメージしながら習得する事ができます。
ステップ1. 課題設定
ステップ2. 評価指標設定
ステップ3. データの準備と管理
ステップ4. AIの開発
ステップ5. 現場へのAI導入テスト
ステップ6. AIの本導入と運用
統計的実装力・モデルの評価改善: Kaggleで始めるPython AI機械学習入門コース|高評価現役講師が丁寧にレクチャー
Python初学者の方でも、実装 ~ モデルの評価・改善の一連のプロせスを学ぶにはもってこいの講座なので、ぜひ受講してみてはいかがでしょうか?
おすすめ本・参考書
「目標設定能力」「統計的理解」「統計的実装力」「モデルの評価・改善能力」「システム構築能力」「プロジェクト推進能力」「法令理解」それぞれの項目別に、おすすめの本を紹介します。
目標設定能力:問題解決プロフェッショナル
仕事で必要なExcelの基本がしっかり身につく1冊です。見やすくわかりやすオールカラー仕様に加えて、操作方法を省かず丁寧に解説しているためスムーズに学習しやすいのがいいところ。また仕事で役立つ応用テクニックも紹介していますよ。
公式サイトによると、目標設定能力分野では、以下について問われるとのことです。
目標設定能力: ロジカル・シンキング
以下本では、問題発見するまでの思考プロセスについて、わかりやすく解説されています。
論理的に問題を整理する方法について解説されています。私も繰り返し読んでいるおすすめの本です。
統計的理解: 機械学習図鑑
本書は教師あり学習・教師なし学習で用いる代表的なアルゴリズムを解説し、それぞれの評価方法まで言及している良書です。以下本を読んで概略を理解しましょう。
統計的理解: 統計学入門
上記は統計学の中の機械学習の手法に焦点が当てられており、もう少し統計学について詳しく知りたい方は、以下本をおすすめします。
統計的実装力分野: Pythonデータサイエンスハンドブック
以下本では、各種ライブラリ (数値計算用ライブラリのNumpy, 表計算用ライブラリのPandas, 機械学習用ライブラリのscilit-learn等) に関して幅広く解説されています。以下本のメリットとしては、ソースコードが全て公開されているため、実際に手を動かしながら学ぶことができます。ただ、深層学習に関しての説明が浅いので、深層学習に関して詳しく知りたい方はもう一冊買うことをおすすめします。
統計的実装力分野: scikit-learn、Keras、TensorFlowによる実装機械学習
以下、深層学習に特化して解説された本になります。こちらの同時購入もおすすめします。
モデルの評価・改善分野: Kaggleで勝つデータ分析の技術
以下、モデルの評価・改善方法についてまとまっている本です。「未知のデータセットに対する汎化性能を上げる」ためのノウハウについて詳しく解説されています。こうした改善のワークフローをある程度体系的にまとめた書籍は少ないため、貴重な本です。
システム構築分野: AIシステム構築実践ノウハウ
タイトルの通り、AIシステム構築に関するノウハウが記載されています。AIのシステム構築に特化した貴重な本です。
プロジェクト推進能力分野: AIプロジェクト実践読本
AIプロジェクト推進するにあたって必要不可欠である、契約に関わる問題、法律やライセンスに関連した問題、見積りに必要となる知識など、事業者側も開発者側も、プロジェクトに関わる全員が知っておくべき情報等が分かりやすくまとまっている本です。
法令理解: AI・IoT・ビッグデータの法務最前線
人工知能プロジェクトに関する法務系のトピックが網羅されています。ただ、AI関連の法律は日々アップデートされています。そのため、もし最新情報を確認したい場合には、経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン 1.1版」も目を通すと良いでしょう。
受験方法
申し込みリンク
https://aipm-apply.newtech-ma.com/users/signup より、試験の申し込みができます。
試験日程
毎月1回、ご自身の都合の良い日程で受験することができます
受験費用
18,700円
※法人様・教育機関様向け団体割引受験もあり
監修者
經田 原弘
東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻修了。大学時代は3次元の医療データの平滑化処理を研究テーマとし、大学院時代はJAXAと協業し、月探査機かぐやの衛星データから、月面上の水の存否について調査していた。新卒では株式会社リクルートにてレコメンドシステムの開発等に従事し、現在は製造業系スタートアップにてデータサイエンティストとして勤務。応用情報技術者試験・E資格合格者。