資格講師が解説!DS検定は意味ない?取得メリット・独学での勉強方法を紹介

DX推進やAI活用がホットトピックとなる中で、データサイエンスの学習方法のひとつとして提供されているのが「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」(*以下、DS検定と呼称)。

DS(データサイエンティスト)検定は、データサイエンティストに求められるスキルセットにおいて「見習い(アシスタント)レベル」の知識を問う資格試験。受験者数は1回で1400人を超える人気資格です。

とはいえ新設の資格ですし、実際に役に立つのかどうか・資格取得が意味あるものかわかりかねている方も多いと思います。

本記事では現役のデータサイエンティストかつG検定講師に監修いただき、DS検定の資格取得メリットを徹底解説していきます。

編集部では他にもDS検定の難易度や勉強方法を解説した記事も公開していますので、気になる方はそちらもご覧ください!

監修者
經田 原弘
東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻修了。大学時代は3次元の医療データの平滑化処理を研究テーマとし、大学院時代はJAXAと協業し、月探査機かぐやの衛星データから、月面上の水の存否について調査していた。新卒では株式会社リクルートにてレコメンドシステムの開発等に従事し、現在は製造業系スタートアップにてデータサイエンティストとして勤務。応用情報技術者試験・E資格合格者。

目次

DS検定取得が意味ないと言われている理由

時間も労力もお金もかかる資格学習において、どれほど役に立つのかは気になるところ。

そこで今回は編集部の独自の調査で、DS検定取得が意味ないといわれる2つの観点をそれぞれ定量的に検証していきます。

理由検証方法
資格知名度が低い他の資格と比較して受験者数がどれくらいか
難易度が低い他の資格と比較して合格率がどれくらいか

理由①:資格知名度が低い

著作者:vectorjuice/出典:Freepik

2021年新設の資格だからある程度致し方ないところはあるものの、資格取得を公言したり履歴書に書いたときにどれくらい相手に伝わる資格なのかは気になるでしょう。

ここでは「どれくらい人気の資格なのか」を気にされていると思うので、他のAI・統計系の資格と比較して、受験者数がどれほど異なるのかを検証しています。受験者をデータサイエンス初級~中級の方と想定して、同レベル・類似する資格をリストアップしています。

AI・統計系資格の受験者数比較表

資格名受験者数
DS検定2,900名
G検定7,502名
E資格1,170名
統計検定2級731名
統計検定3級320名
2022年9月時点でのデータをもとに編集部が作成

AI・統計系で一番受験者数が多いG検定と比較すると劣るものの、開始して1年・1回の開催で既に1,400名の受験者数を記録しており、知名度としては既に気にするほど低いものではないといえるでしょう。

今後のデータサイエンス学習のニーズが高まっていく(今より低くなることはない)ことを想定すると、数年後には最も人気の資格となっている可能性もないとはいえないです。

理由②:難易度が低い

著作者:pch.vector/出典:Freepik

難易度が低すぎて誰でもとれる資格であれば、取得することに対する評価は確かに分かれるでしょう。次は①の検証対象と同じ資格をリストアップし、それぞれの合格率を比較していきます。

AI・統計系資格の合格率比較表

資格名合格率
DS検定50%
G検定66%
E資格75%
統計検定2級35%
統計検定3級76%
2022年9月時点でのデータをもとに編集部が作成

特に統計検定2級の合格率が35%と圧倒的に低く、難易度が高いことがわかります。

これらの資格試験の合格率に違いが出る仮説としては、「試験範囲に数学知識が求められるかどうか」が関係すると考えます。

統計検定2級は数理統計に関する知識を問う試験なので、数式を覚え、計算して問題を解くことが求められます。一方で、DS検定やG検定は「用語の理解」や「大まかな分析手法の理解」など、数学よりも国語としての理解を問うものが多いため、入門向け(文系でも学習しやすい)資格です。

確かにDS検定の合格率は高く、合格者の希少性はそこまで高くないかもしれません。しかしこれは試験の特性と捉えることができますし、難易度が低いとしても受験する価値があると筆者が考える理由は後述します。

DS検定取得にメリットはあるのか

それでは上記の検証結果を前提としたとき評価は人により分かれると思いますが、筆者は「DS検定を取得する価値はある」と考えます。

データサイエンティストに必要なスキルセット

そもそもデータサイエンティストになるにはどのようなスキル・知識のジャンルが求められ、どれくらいのレベルで習得しておくべきなのでしょうか? そこでデータサイエンス協会の公式資料を参考に考えていきます。

出典:データサイエンティスト協会
①データサイエンス力情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う力
②データエンジニアリング力データサイエンスを意味のある形に使えるように実装・運用できるようにする力
③ビジネス力課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し解決する力

上記の図は、同協会が定義したデータサイエンティストに必要な3つのスキルセットです。データサイエンティストに必要なスキルを、①データサイエンス力、②データエンジニアリング力、③ビジネス力の3つに大別しています。

上記の3種の求められるスキルセットには違和感はなく、実際データサイエンス実務では単純なデータ抽出から機械学習のモデルの構築、データの取り扱い方法まで、求められる知識は幅広いです。

しかし、まだまだ部分的にPythonの基礎を学べたり、数理統計知識を学べることはありますが、実務で必要なスキルセットに対して、体系的な学習方法が豊富に提供されているかというとそうではないです。

その中でDS検定取得のメリットはまさに「体系的にデータサイエンスの学習ができること」でしょう。

DS検定はデータサイエンス学習において幅広く学ぶ機会として信頼性の高い学習カリキュラムになっており、試験範囲のどれもが欠けてはいけない基礎的な内容となっています。

データリテラシーをつける目的でも、これからデータサイエンティストとしてスキルアップしていく展望だとしても、礎(いしづえ)となる知識を最初に学んでおくことは後々のキャリアにポジティブに働くでしょう。

DS検定は独学で合格できる?

勉強方法は公式本で全体理解、講座・アプリで問題演習

DS検定合格者の体験談を読んでみると、勉強方法は「公式リファレンスブック」で全体像を理解し、「アプリ」+「講座」で練習問題を解いていくというパターンが多いです。

DS検定は試験範囲が広いことから、確かに公式リファレンスブックはかなり広く薄い内容になっており、演習問題の数としては少ないです。また、過去問も発売されていないことから、演習をしようと思うとオリジナル問題が豊富な講座を受講するか、アプリでの練習問題の活用がおすすめです。

DS検定のおすすめ参考書・対策本

ここからは編集部おすすめの参考書を紹介しています。

ちなみに下記記事ではより詳しく、DS検定の対策本を紹介した記事です。現役データサイエンティストの監修を受けて、対策本の選び方や、試験範囲であるPython・SQLなどへの応用も含めて網羅的に紹介していますので、詳細が気になる方はぜひこちらも参考ください。

【公式】最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック

AI教育の専門スタートアップの「スキルアップAI」から公式対策本が出版されています。

公式の名前がついている通り、試験範囲の「スキルチェックシート」の各単元に対して1、2ページの解説が書かれており、網羅的に学習することができます。

模擬試験やサンプル問題なども各章末についており、試験の全体像や出題問題のざっくりとしたイメージをつかむには十分でしょう。

合格対策 データサイエンティスト検定[リテラシーレベル]教科書

また、出題範囲に対してより多角的に理解を深めたい方は、2023年6月に新たに出版された「合格対策 データサイエンティスト検定[リテラシーレベル]教科書」の活用もおすすめです。

今までDS検定はG検定やITパスポートなどの他の資格と異なり教科書形式で解説する対策本が公式リファレンスブック以外になく、受験希望の方にとっては対策手段が限られる資格でしたが、公式リファレンスブックと同様の「単元の解説」+「模擬問題」形式で執筆がされています。

別の切り口からの解説を目にすることで、より理解が深まり対策が進むと思いますのでこちらもおすすめです。

【公式問題集】徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応

こちらもデータサイエンティスト検定の公式の問題集になります。

前述の通り、データサイエンティスト検定では、データサイエンティストが求められる知識・スキルを「スキルチェックリスト」として公開しています。

検定問題集のありがたいところは、問題集で出ている問題がそのまま前述のスキルチェックリストのどこに当たるかがしっかりとわかることです。

自身のスキルがチェックリストの中のどこに対して足りていないかを適宜チェックしながら、合格点に近づけていきましょう。

DS検定のおすすめ講座3選

ここからは数あるDS検定対策講座のなかからおすすめをピックアップします。

ちなみに下記記事ではより詳しく、DS検定の対策講座を紹介しています。現役データサイエンティストの監修を受けて、対策講座の選び方や、どんな人におすすめかをしっかりと解説していますので、詳細が気になる方はぜひこちらも参考ください。

Agarootアカデミー「DS検定対策講座」

講義時間約9時間半
価格29,800円~59,800円
受講期限申込み日より120日
特徴・数学知識の補填からできる・90問の模擬試験 ・講師と常に質疑応答できるコーチングオプション付き
こんな人におすすめ念入りなサポートを受け、確実に合格したい

講義の内容も数学の知識の補填から始まり、模擬試験、質疑応答まで、フルパッケージで合格に向けたフォローが非常に手厚い講座になっています。確実に合格したい方や、データサイエンス知識をしっかりと定着させたい方は特におすすめです。

②AVILEN「全人類がわかるDS検定対策コース」

講義時間約10時間
価格42,900円
受講期限受講開始より1年間
特徴・数学・プログラミング基礎を高校相当から学習・順序を適切に並び替え知識を補完することで、効率よく学べるカリキュラムに再編成・300問のWebテスト
こんな人におすすめひたすら問題を解いてきちんと理解したい

演習問題の豊富さで選ぶならAVILENの「全人類がわかるDS検定対策コース」がおすすめです。前述のようにDS検定は検定開始から日が浅く、過去問が公開されていません。また、公式ガイドブック・過去問では問題数が足りていないことから、実際に合格するには

AVILENの講座は章立てごとに、動画視聴+小テストがついているため、動画視聴で学んだ理論をアウトプットして、定着させることが可能です。

③スキルアップAI「DS検定リテラシーレベル対応 データサイエンティスト基礎講座」

講義時間約10.5時間
価格無料~8800円
受講期限受講開始より1年間
特徴・DS検定運営元である一般社団法人データサイエンティスト協会が監修・無料でオンライン講座の受講が可能(オプションにて課金)・オリジナル模試の受験が可能
こんな人におすすめ費用を安く済ませたい方向け

スキルアップAIの「DS検定リテラシーレベル対応 データサイエンティスト基礎講座」の特徴は、他の講座と比較して講座価格が各段に安いことです。講義時間も10.5時間と量的にも申し分ないですし、スキルアップAIはDS検定の問題集である「徹底攻略データサイエンティスト検定問題集」の著者でもあり、質的にも十分すぎる程です。

講座の内容は、「オンライン講座(無料で視聴可能)」+「講座資料+模試セット(有料)」という構成になっています。講座を資料で見たい場合や、Webでの模擬試験を受けたい場合は課金が必要です。

【アプリ】スキルアップAIが提供する「DS検定™リテラシーレベル対策アプリ」もおすすめ

スキルアップAIが提供するアプリ「DS検定™リテラシーレベル対策アプリ」もおすすめです。

スキルアップAIはDS検定の公式問題集のの著者でもあり信頼性もさることながら、110問のオリジナル問題・進捗管理機能がついて980円とかなりお手頃です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「Ukatta!」は資格を一覧、検索できる資格のデータベースサイトです。コンテンツは専門家の監修・指導を受けながら、執筆・編集しています。読者に資格学習のきっかけやモチベーションを提供することで、最短合格を支援します。

目次
閉じる