現役AI講師が解説!Pythonの資格検定は意味ない?取得メリットとおすすめ資格を一覧で紹介

Pythonはデータ分析・AI開発において、多様なライブラリ・フレームワークに対応しており、注目を集めているプログラミング言語です。

しかしながら、世の中には書籍・講座・ネット記事など色々なPythonの学習教材が溢れており、「どの勉強方法が一番効率的かわからない」「資格を取得して効率的に勉強したい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

本記事では現役AI講師・データサイエンティストの目線から、Pythonにまつわる資格を取得していくことのメリットをまとめていきたいと思います。

監修者
經田 原弘
東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻修了。大学時代は3次元の医療データの平滑化処理を研究テーマとし、大学院時代はJAXAと協業し、月探査機かぐやの衛星データから、月面上の水の存否について調査していた。新卒では株式会社リクルートにてレコメンドシステムの開発等に従事し、現在は製造業系スタートアップにてデータサイエンティストとして勤務。応用情報技術者試験・E資格合格者。

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目次

Pythonの資格は役に立つ?意味ないと言われる理由

Pythonの資格取得によるメリットの検証にあたり、意味ない・役に立たないと言われる理由を、下記の3つに分けました。

本記事では「意味がない」と言われるそれぞれの理由を、資格運営側・第三者が発表する定量データや、筆者がデータサイエンティストとして働く定性的な感覚をもとに検証していきます。

Python資格が意味ないと言われる理由

理由検証方法
資格知名度が低い他の資格と比較して受験者数がどれくらいか
難易度が低い他の資格と比較して合格率がどれくらいか
転職に有利にならない他の資格と比較して求人数がどれくらいか

理由①:資格知名度が低い

他にもデータサイエンス・統計系の資格があるなか、Pythonの資格がどの程度就職・転職に有利に働くのかは気になるところ。

そこで受験対象をデータサイエンス初級~中級の方と想定して、同レベルかつ類似する資格を比較対象としてリストアップし、それぞれの受験者数をみていきます。

データサイエンス・Python資格の年間受験者数

試験名受験者数
G検定20,660名
統計検定2級4,307名
DS検定4,300名
統計検定3級3,595名
Python3エンジニア認定基礎試験3,300名/年
Python3エンジニア認定データ分析試験3,100名/年
E資格2,224名

*Python系資格は累計受験者数を受験開始年月からの経過年数で年換算

初級者向けの資格であるG検定の受験者数が22,275名と抜きんでて多くなっていますが、G検定以外と比較するとその他の試験と同様、実数としても1年間で3,000名と一定の受験者数がいることがわかります。上記のPython系資格の知名度は悲観するほど低くないといえるでしょう。

また、ITRの発表したデータによるとAIの主要8市場は2019~2024年までの5年間で年平均20.6%で成長すると見立てており、今後も伸びていく市場です。

一方、AI・データサイエンス領域の市場の伸びに対して、人材供給が間に合っていない現状があります。求人BOXによると、データサイエンティストの平均年収は約696万円と、日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。

データサイエンスの学習に必須なPython知識の需要も同様に伸びていくと仮定すると、数年後にはさらに人気の資格になっているかもしれません。

理由②:難易度が低い

難易度が低すぎて誰でもとれる資格であれば、取得することに対する評価は確かに分かれるでしょう。次は同じデータサイエンス系資格をリストアップし、それぞれの合格率を比較していきます。

データサイエンス系資格の合格率比較

試験名合格率
Python3エンジニア認定データ分析試験86.3%
Python3エンジニア認定基礎試験77.7%
統計検定3級65.2%
G検定63.3%
DS検定55.3%
統計検定2級43.4%

各資格の合格率を一覧にして見てみると、統計検定2級の難易度が一番高く、Python系の資格は合格率が高いことがわかります。

しかし、簡単だからといって一概に意味がないとはいえないと筆者は考えます。むしろ難易度が低いということは、簡単に資格を通じてPythonの理解ができるという点ではかなり効率のよい勉強方法ともいえるからです。

Pythonの用途はAI・機械学習のみではなく、Webアプリケーション開発など、幅広い用途に使えるという特徴があります。エンジニアやデータサイエンティストとのともにビジネスを進める中、Pythonという「共通言語」を理解できていて、少なくともネガティブに働くことはないでしょう。

勉強にかかるコストを最小限に体系的な学習を身に着けられるという点で難易度以上の価値があると考えます。

理由③:就職・転職に有利に働かない

次に他のデータサイエンス系の資格と比較して、大手求人サイトの「Indeed」で該当資格名の記載がある求人票が何件あるかを検証していきます。

データサイエンス・AI系資格を記載する求人数

資格名Indeedの求人数
統計検定2,296件
G検定1,187件
データサイエンティスト検定104件
Python3エンジニア認定基礎試験118件
Python3エンジニア認定データ分析試験35件

*2023年1月時点
*各資格をダブルクォーテーションで囲み完全一致で検索
*統計検定は級は分けずに”統計検定”で検索

AI・データサイエンス系の資格の中では、断トツで統計検定のヒット数が多く、Python資格が求人に記載されていることは多くないため、直接的には就職・面接時に役に立つとはいえないと考えます。

ただし、N=1の求人例を見ていくと実際に大手企業(Paypay株式会社)のデータサイエンティストの求人の歓迎条件として「Python3エンジニア認定データ分析試験」が記載されています。資格自体のスキルレベルは転職市場で通用する一定基準は満たせていると推測します。

2022年時点dodaよりpaypay株式会社の求人

また、ここの歓迎条件には他「基本情報技術者試験」や「統計検定」なども記載されていることから、関連資格も併せて取得することで、より説得力のあるアピールにつながると考えます。

こちらの記事では編集部独自の観点で選んだPythonのおすすめ資格と勉強方法を紹介しています。興味のある方はぜひ下記リンクからご覧ください。

Python資格取得のメリット・価値

それではPythonの資格取得にメリットはないのかと言われると、編集部としてはPythonやデータサイエンス初学者に対してはメリットはあると考えます。

メリット①:データサイエンティストを目指す「中間目標」になる

一つ目のメリットはデータサイエンティストを目指す「中間目標」としての資格取得ができるという点です。

そもそもデータサイエンティストになるにはどのようなスキル・知識のジャンルが求められ、どれくらいのレベルで習得しておくべきなのでしょうか? データサイエンス協会の公式資料を参考に、Pythonがデータサイエンティストになるに当たってどの要素に求められるかを定性的に検証していきます。

①データサイエンス力情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う力
②データエンジニアリング力データサイエンスを意味のある形に使えるように実装・運用できるようにする力
③ビジネス力課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し解決する力

上記の図は、同協会が定義したデータサイエンティストに必要な3つのスキルセットです。データサイエンティストに必要なスキルを、①データサイエンス力、②データエンジニアリング力、③ビジネス力の3つに大別しています。

Pythonを書けることはこの中で、データサイエンス・データエンジニアリングの2つのスキルを身に着けるに当たって必要になる絶対条件です。

データサイエンティストやデータエンジニアを目指す場合はPythonが書けることは絶対条件であるため、「資格」を中間目標としてある程度網羅的に学習すると、直接的に実務に活きるようになるでしょう。

スキル・タスクチェックリスト

さらにデータサイエンス協会ではデータサイエンティストがレベルごとにどのようなスキルが求められるかを全528項目に細分化しており、「スキル・タスクチェックシート」と公式HPで公開しています。

例えば、Pythonでライブラリ/フレームワークを理解したら、次はディープラーニングのモデル構築といったように、学習のステップを事前に明確にしておくとより目標が細分化されます。

データサイエンティストやエンジニアを目指すに当たって、Pythonのどのようなスキルが必要かのアタリをつけ、中間目標として資格を通じて網羅的に学習すると、直接的に実務に活きやすくなると筆者は考えます。

スキルを発展していけばAIエンジニアやデータサイエンティストなど幅広い職種へのキャリアパスが開けていくことでしょう

メリット②:Python実装の網羅的/体系的な学びになる≒効率的に学習できる

二つ目のメリットはPython学習において網羅的・体系的な学びを享受することができる点です。

世の中に学習できる教材/機会は溢れているなか、どのような順番でどれくらい勉強すれば学習したといえるのかわからないという悩みは多いのではないでしょうか? 

初心者で右も左もわからない中、手探りで自分に合う勉強方法を見つけていくよりも体系的なカリキュラムで学習+不足部分を自分で学習という方が効率的な可能性もあります。

ちなみに、筆者は下記の本での学習をおすすめしています。基本的な文法だけでなく、画像処理・アプリ開発・WebAPIをつかったスクレイピングまで幅広い用途でのPythonの活用方法を、豊富なイラストでわかりやすく説明しているおすすめの一冊です。

Python学習のおすすめ資格を一覧で紹介!

ここからは国内企業が主催する資格を一覧で紹介していきます。

初級者向けの「Python3エンジニア認定基礎試験」と中級者向けの「Python3エンジニア認定データ分析試験」、上級者向けの「Python3エンジニア認定実践試験」の3段階で構成されています。

それぞれの試験のレベルの違いは以下の通りです。

スクロールできます
試験名資格取得後にできること主な出題内容
Python3エンジニア認定基礎試験・Pythonの基本文法の理解ができる・Pythonのデータ構造を理解して、基本的なコードを書けるようになる・データ構造
(リスト型・集合型・辞書型・del文)・制御構造ツール
(if文・for文・break文・continue文など)
Python3エンジニア認定データ分析試験・ライブラリを活用してPythonで分析ができる・ライブラリによる分析実践
(NumPy・Matplotlib・scikit-learnなど)・数学の基礎知識
(線形代数・確率・基礎解析など)
Python3エンジニア認定実践試験・ライブラリ(暗号化ライブラリなど)を活用して、Pythonでより高度なプログラム作成ができる・パフォーマンスの最適化を考えられるようになる・Pythonの言語使用(例外処理・with文・ジェネレーター・デコレーターなど)・Pythonのクラス(class構文・dataclass・オブジェクト関連関数など)・データ型とアルゴリズム(二分法アルゴリズムの利用・イテレーターの組み合わせなど)

①Python3エンジニア認定基礎試験

試験名Python3エンジニア認定基礎試験
資格取得後にできること・Pythonの基本文法の理解ができる・Pythonのデータ構造を理解して、基本的なコードを書けるようになる
主な出題内容・データ構造
(リスト型・集合型・辞書型・del文)・制御構造ツール
(if文・for文・break文・continue文など)

Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonの基本文法やデータ構造、制御構造ツールが問われ、Pytonエンジニアとしての基本スキルがあることを証明できる試験です。

Python3エンジニア認定基礎試験の学習を通して、Pythonの重要知識を網羅的に学べるというメリットがあります。

おすすめ参考書

Python3エンジニア認定基礎試験は『Pythonチュートリアル』という本が出題範囲になっており、Pythonでプログラム作成するための必須知識を網羅的に学ぶことができます。

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たとえば、本書で学ぶ「制御構造ツール」では「if文」「for文」「range()関数」などを活用できるようになり、これらをマスターしないとPythonでプログラム作成することができません。

編集部ではPython3エンジニア認定基礎試験の難易度や勉強方法をまとめた記事も執筆しています。気になる方はぜひ下記の記事もご覧ください。

②Python3 エンジニア認定データ分析試験

試験名Python3エンジニア認定データ分析試験
資格取得後にできること・ライブラリを活用してPythonで分析ができる
主な出題内容・ライブラリによる分析実践
(NumPy・Matplotlib・scikit-learnなど)・数学の基礎知識
(線形代数・確率・基礎解析など)

Python3エンジニア認定データ分析試験はライブラリを活用したプログラミング知識がどの程度あるのか証明する試験です。

Python3エンジニア認定データ分析試験の取得メリットの1つ目は、ライブラリを活用して、高度なプログラム作成が可能になることです。

ライブラリとは汎用性の高い関数やソースコードが集まったプログラムを補うための部品です。「NumPy」「pandas」「Matplotlib」「scikit-learn」の4つの代表的なライブラリを活用すると、複雑なソースコードを自身のプログラムに取り込めるので、手早く高度なプログラムを作成できるようになります。

おすすめ参考書

本資格で出題の約7割を占めている「Numpy」「pandas」「Matplotlib」「scikit-learn」の4つのライブラリについて基礎から応用まで学ぶことができるので、試験対策としておすすめです。

各章のモジュールはサンプルコード付きで解説されており、「 基礎事項→使用例(事例) 」 のように適宜、実際の使用例が記載されているので、具体的なイメージを持って理解することができます。

さらに、本書はデータ分析から機械学習までの一連の流れを学ぶことができ、今後ディープラーニングやAI開発を行いたい方にも非常におすすめです。

編集部では「Python3エンジニア認定データ分析試験」の詳細をまとめた記事も執筆しています。気になる方はぜひ下記の記事もご覧ください。

【中級者向け】Python3エンジニア認定実践試験

試験名Python3エンジニア認定実践試験
資格取得後にできること・標準ライブラリ/外部ライブラリを活用して、Pythonでより高度なプログラム作成ができる
・パフォーマンスの最適化を考えられるようになる
主な出題内容・Pythonの言語使用
(例外処理・with文・ジェネレーター・デコレーターなど)
・Pythonのクラス
(class構文・dataclass・オブジェクト関連関数など)
・データ型とアルゴリズム
(二分法アルゴリズムの利用・イテレーターの組み合わせなど)

Python3エンジニア認定実践試験はPythonを実務で活用するうえで欠かせない機能やライブラリの使い方を問う試験です。

Python3エンジニア認定基礎・データ分析試験の学習は、Pythonのデータ構造や文法、標準ライブラリなど基礎内容にとどまっており、実務レベルというよりは基礎固めが主眼の資格でした。しかし、本試験ではPythonを実務で活用するための機能やライブラリを学習することができます。

編集部では「Python3エンジニア認定実践試験」の難易度や勉強方法を詳細にまとめた記事も執筆しています。気になる方はぜひ下記の記事もご覧ください。

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この記事を書いた人

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