現役講師が解説!たった1記事でわかる統計検定|取得メリット・難易度・勉強方法

データサイエンティストの必須資格ともいえる統計検定。データ分析系の職種のみならず、研究職・マーケターなど数理/統計を扱うすべての方に幅広くおすすめしたい資格です。

しかしながら、どの級でどれくらいの知識を問われるのかを決めかねている人も多いでしょう。

Ukatta編集部では現役データサイエンティスト・G検定講師の監修のもと、記事を作成しています。統計検定の試験の全体像や合格に必要な手順をしっかりと把握していきましょう。

監修者
經田 原弘
東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻修了。大学時代は3次元の医療データの平滑化処理を研究テーマとし、大学院時代はJAXAと協業し、月探査機かぐやの衛星データから、月面上の水の存否について調査していた。新卒では株式会社リクルートにてレコメンドシステムの開発等に従事し、現在は製造業系スタートアップにてデータサイエンティストとして勤務。応用情報技術者試験・E資格合格者。

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目次

統計検定取得のメリット

データサイエンティストに求められるスキルセット

統計検定を勉強する意義について客観的に見ていきます。一般社団法人データサイエンティスト協会が定義するデータサイエンティストに求められるスキルセットとしては、①ビジネス力 ②データサイエンス力 ③データエンジニアリング力の3つと定義されています。

統計検定はデータサイエンスのなかでも特に数理統計の知識・スキルアップが見込める資格です。機械学習のモデル構築の前提となる統計知識を幅広く学習することができるため、汎用性の高いスキルの土台が身につくことが統計検定のメリットと言えるでしょう。

資格を取得したのちは、数理統計の知識を活かしデータサイエンティストとなり機械学習モデルを構築したり、統計調査の知識をマーケティングリサーチやコンサルティングに活かしたり、統計検定を足がかりとしてキャリアの発展性を見込むことができます。

筆者の実務のなかでデータサイエンティストから「統計検定準1級を取得しようか迷っている」という声を聞くこともあり、現場の肌感としても権威性・信頼性のある資格と言えます。

統計検定の口コミ・合格者体験談

統計検定 合格体験談

また、試験の有効性については統計検定のホームページに合格者の体験談が記載されていますので、実名かつ所属も公表されているのでそちらも参考になります。

統計検定の資格概要

統計検定HPより引用

統計検定は統計・数理的知識だけではなく、データサイエンス全般に関する知識を問う試験です。

試験は全部で10種類あり、4級、3級、2級、準1級、1級に加え、統計調査士・専門統計調査士、2022年からはデータサイエンス基礎・発展・エキスパートの3種も新設されています。

統計検定を筆者の見解から大きく分類すると

①統計に使う数理的思考を評価するもの

②統計調査・リサーチスキルを評価するもの

③データサイエンス全般のスキルを評価するもの

の3つに大別されます。

各資格を3つに分類すると以下のようになります。

①統計に使う数理的思考を評価するもの統計検定4級、3級、2級、準1級、1級
②統計調査・リサーチスキルを評価するもの統計調査士、専門統計調査士
③データサイエンス全般のスキルを評価するもの統計検定 データサイエンス基礎、発展、エキスパート
Ukatta編集部が独自に作成

試験概要

次に各試験の基礎情報をみていきましょう。

スクロールできます
試験名称CBT方式対応試験日試験時間受験料
統計検定 4級年2回(6月、11月)60分3000円
統計検定 3級年2回(6月、11月)60分4000円
統計検定 2級年2回(6月、11月)90分5000円
統計検定 準1級年1回(6月)120分8000円
統計検定 1級×年1回(11月)180分統計数理、統計応用で60分ずつ6000円*両方の場合10000円
統計調査士年1回(11月)60分5000円
専門統計調査士年1回(11月)90分10000円
統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎)(CBT)×90分
一般:7,000円学割:5,000円
統計検定 データサイエンス発展(DS発展)(CBT)×一般:6,000円学割:4,000円
統計検定 データサイエンスエキスパート(DSエキスパート)(CBT)×未確定*
Ukatta編集部が独自に作成

試験方式

統計検定 CBT方式

どちらとも、4-5問の選択問題をマークシートで35問程度解答していきます。受験方法は紙媒体とCBT方式の2つあります。

CBT方式とは?

統計検定は基本的にCBT方式での受験が実施されています。

2022年度からは1級以外のすべての資格がCBT方式での受験となり、紙媒体での受験は1級のみとなり、受験のハードルが下がりました。

CBT方式では全国約200か所の会場で、会場ごとに設定された試験日で受験することができます。また、合格発表が当日中に行われるため、試験結果を早く知りたい! という方におすすめです。

CBTのメリットは場所・タイミングの制約が圧倒的に少ないことです。過去数年間は年2回の開催時期に合わせる必要がありましたが、自分に合ったタイミングでの受験が可能ですので学習計画が立てやすくなるでしょう。

出題形式は紙媒体の試験と同じ30~40問程度の選択問題で、試験問題はプールされている問題からランダムで出題されます。

紙媒体

紙媒体は受験可能なエリアが決まっています。

受験可能エリア東京23区、名古屋、大阪、福岡、(立川、松本)

試験日程(紙媒体の場合)

統計検定は年間1回、または2回実施されます。1級・統計調査士、専門統計調査士は年1回のみ。申し込みは試験日の約2か月前からは始まりますが、締め切りは1か月前と早いので申し込みを忘れないようにしましょう。

2021年の試験実績
①2021年6月20日(日)試験・実施試験:準1級、2級、3級、4級・受験地:東京23区内、名古屋、福岡地域
②2021年11月21日(日)試験・実施試験:1級、統計調査士、専門統計調査士・受験地:東京23区内、名古屋、大阪地域、福岡地域

電卓の持ち込みはできる?

電卓の使用は可能ですが、計算をより素早くこなすための情報処理はある程度必要になります。

公式HPでは下記のように記載がされています。

〈使用可の電卓〉

・四則演算(+-×÷)や百分率(%)、平方根(√)の計算ができる

・一般電卓又は事務用電卓を1台

〈使用不可の電卓〉

・上記の電卓を超える計算機能を持つ関数電卓やプログラム電電卓機能を持つ携帯端末(タブレットや携帯電話、スマートフォン)※試験会場では電卓の貸出しは行っていません

統計検定は併願できる?

試験は併願が可能ですが、異なる試験時間帯である必要があるため注意しましょう。たとえば、

統計検定の各級の難易度・レベルはどれくらい?

まずは級別の難易度をみていきましょう。合格点・合格率・必要な勉強時間などをもとに検証を行い。見出しの後半では他の統計・データサイエンス系の資格との比較も行っていきます。

検証①:統計検定の各級の難易度はどれくらい違うか?検証②:問題難易度・レベル検証③:ほかのデータサイエンス系資格と比較しての難易度

検証①:統計検定の各級の難易度はどれくらい違うか?

まずは公開されている定量情報をベースで検証を行っていきます。

統計検定の受験者数は級が上がるにつれ増えていき、合格率は逆に低くなっていく傾向にあります。

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試験種別必要な勉強時間合格点合格率合格者数受験者数
統計検定 4級20~30時間100点満点で70 点以上72.8%107147
統計検定 3級20~30時間100点満点で70 点以上75.6%242320
統計検定 2級50~70時間100点満点で70 点以上34.1%249731
統計検定 準1級80~150時間100点満点で70 点以上23.6%166704
統計検定 1級(統計数理)100~150時間ー(非公開)25.8%225872
統計検定 1級(統計応用)100~150時間ー(非公開)24.0%189789
統計調査士20~30時間100点満点で70 点以上28.9%37128
専門統計調査士20~30時間100点満点で70 点以上25.7%1974
DS基礎40~60時間100点満点で70 点以上ー(非公開)ー(非公開)ー(非公開)
DS発展不明100点満点で60点以上ー(非公開)ー(非公開)ー(非公開)
DSエキスパート未定未定未定未定
2021年6月20日・11月21日実施試験のデータをもとにUkatta編集部が独自に作成。

合格率

統計検定は4~3級が70%以上の合格率なのに対して、2級以上では35%程度と2級以上になると難易度がグッと上がります。さらに、準1級以上では23~25%まで落ち、級別で大きく難易度が変わる資格だといえるでしょう。

また、統計調査士の合格率は28.9%、専門統計調査士も25.7%と各級のなかでは非常に難易度が高い資格と言えます。

合格点

統計検定の合格点は4級、3級、2級、統計調査士、応用統計調査士、データサイエンス基礎は100点満点で70 点以上、データサイエンス発展のみ60点以上で合格です。合格点には各級で大きな違いはなさそうです。

勉強時間

Ukatta編集部が公式情報・合格者体験記・ブログなどを参考に独自に調査した結果、必要な勉強時間についてまとめていきます。

統計検定3級・4級の目安の学習時間は、大体20時間~30時間です。中学・高校までの数学知識があれば過去問を1~2周なぞるのみでも合格が可能なレベルと言えるでしょう。

統計検定準1級以上だと100時間以上の勉強時間が必要になります(なかには300時間を超える方もいらっしゃいました)。休日のどちらかに3~5時間、平日に1時間の勉強時間が確保できれば約1~2か月で合格できるでしょう。

ただし前述の通りもともとの数学知識が必要となるため、不安な方は学びなおしも兼ねて時間を取得しておくことがベターです。

検証②:問題難易度・レベル

次はUkatta編集部が実際に出題されている問題や出題範囲表をもとに、主観的に問題難易度の分類・検証を行っていきます。

統計検定2級 出題範囲表
統計検定2級 出題範囲表

まずは統計検定の公式HPで公開されている出題範囲表をもとに、各級の周代レベルの分類を行っていきます。

大きく分類すると、①数学知識 ②統計調査の知識 ③データサイエンティストとしての分析・実装能力が問われるもの の3つに分類できます。

各試験で問われる知識の分類

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数学知識が問われる3-4級中学・高校レベルの数学知識
2級理系大学1-2年生レベルの数学知識
準1級・1級理系大学・大学院生レベルの数学知識データサイエンティストのキャリアに活用できる
統計調査の知識統計調査士・専門統計調査士社会調査・マーケットリサーチなどにおける統計的専門知識
データサイエンティストとしての分析・実装能力が問われるものデータサイエンス基礎・発展・エキスパート実際にExcelやPythonを活用して実務に活用できるデータサイエンススキル

次は、各級のサンプル問題・過去問をベースに定性的な難易度を見ていきましょう。

3級の過去問(サンプル問題)

統計検定 サンプル問題

平均や標準偏差など一般的に使う統計用語と、標準偏差を算出する数式を理解しておけば応えられる内容となっています。中学・高校レベルの数学知識があれば解ける問題だと思います。

2級の過去問(サンプル問題)

まず母平均・帰無仮説/対立仮説など統計的専門用語を理解するのに加えて、数式として

基本的に統計検定2級以上は暗記した知識を問われるような選択問題よりも、実際に手元で計算して解く問題への配点が多くなります。

統計検定の過去問題

統計検定 過去問
https://www.toukei-kentei.jp/prepare/kakomon/

公式ホームページにも過去問が記載されていますので「まず問題を見たい」という方はそちらを参考にしましょう。

検証③:ほかのデータサイエンス系資格と比較しての難易度

他のAI・統計系の資格受験を並行で検討されている方も多いと思いますので、他の資格との比較も行っていきます。

統計検定の2級以上は34.1%、G検定が62.1%・E資格が74.5%とほかのデータサイエンス系の資格試験よりは合格率が低い結果となっています。2級以上はいわゆる暗記が必要な資格というよりは数式の応用が求められるため、理系向けと言えそうです。学習のハードルが少し高いと仮説だてられます。

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資格名合格率合格点合格者数受験者数
G検定(2022年第1回)62.10%非公開(調べでは70%程度)4,198名6,760名
E資格(E資格2021#2)74.53%非公開872名1,170名
データサイエンティスト検定リテラシーレベル非公開非公開(調べでは60-70%程度)非公開非公開
統計検定 2級34.1%100点満点で70 点以上249731

どの級を受けるべき?

決め方①:どのように転職・キャリアアップに活かしたいか

社会人で転職やスキルアップに活かしたい場合は2級以上の取得がおすすめです。

2級は統計知識が求められる職種では取得が実務に活きます。たとえば、Web系の職種では「本当に施策に効果があったのか?」を見極めるために、様々な効果の可視化や検証が求められます。その時、2級の試験範囲である仮説検定がわかっていると、ABテストを適切に活用することができるようになるでしょう。

データサイエンティストとしての就職/転職・キャリアアップを希望されている場合は、準1級以上の取得できていると、1人前レベルの知識があると言えるでしょう。

事務職でデータの可視化やグラフ作成を行う場合などは、3,4級でデータの読み方やビジュアライズに関する基礎知識を学ぶと実務に活用することができます。

決め方②:数学知識がどれくらいあるか

前提となる数学知識によって、学習にかかる時間が大きく変わってきます。

3・4級であれば中学・高校数学のレベルでも解答が可能ですが、2級以上は微分・積分など応用数学の知識が必要になってきます。さらに計算の速さも求められるため、慣れていない方は問題に慣れたり、ある程度即座に解答できるように反復練習が必要でしょう。

統計検定のおすすめの勉強方法

Ukatta編集部では「逆算式」の勉強方法を推奨しています。逆算式とはゴール(試験日までに合格点に達すること)を目的として、課題を明確にしながら学習する方法です。

統計検定は暗記よりも問題に応じて「解き方」や「数式」を反復して覚える必要があるため、過去問や演習問題を解いていきましょう。

知識補充式:教科書を読みながら基礎理解を深めた上で過去問・サンプル問題などを解いていく
逆算式:ゴール(試験日までに合格点に達すること)を目的として、課題を明確にしながら学習する

学習の進め方

STEP①:勉強時間を見積り、学習計画を立てる

前述の通り、統計検定は現時点での数学知識によって学習時間が大きく変わってきます。3-4級であれば2週間~1か月程度の学習期間、2級以上であれば余裕をもって3か月を見積るとよさそうです。

データサイエンス基礎・発展はExcelやPythonなどツールへの慣れが必要なため、それらのツール利用に慣れる時間が別途必要そうです。

STEP②:過去問を解く

まず部分的にも過去問を解いてみて、自分の実力を測ります。実際に解いてみないと、「合格点にどの程度届いていないか」「1問にかかる時間」など正確に現在値を測ることが難しくなります。

また、前述の通り前提となる数学知識によって学習時間が大きく変わってきます。「わからない箇所に必要となる数学の前提知識はなにか?」に当たりをつけていきましょう。

過去問の解答には標準テキストを活用しましょう。 1冊で6回分の試験に相当するため、これ1冊を購入すれば試験範囲はほぼカバーできます。

STEP③:出題範囲表と照らし合わせ、苦手分野を明らかにする

統計検定は問題の特徴として、暗記ではなく数式の応用が求められます。「どの数式がわかっていないのか」などの正確な情報を把握するためには出題範囲の表と照らし合わせていきましょう。

たとえば、2級を受ける場合に「推測統計と記述統計どちらがわかっていないか」という全体観の把握や、理解度に合わせて「ベイズの定理がわかっていない」など課題を細分化していくことが重要です。

大抵の場合、設問内の設問に試験範囲となる語句が記載されています。たとえばこの問題では設問内に記載されている「区間推定」という語句を出題範囲表のなかで調べ、どこが弱点かを明らかにしていくと効率的です。

出題範囲表も公式HPに公開されていますのでそちらを必ず手元で見れるようにしておきしましょう。

STEP④:合格基準である7割を満たしたら受験

級にもよりますが、CBTでの受験の場合7割以上の合格点を満たせば、合格基準をうわまります。6割でも受かるケースもありますが、万全を期するためには7割以上過去問で取得できていれば安心と言えるでしょう。

統計検定のおすすめ講座・本・サイト

最後に統計検定を学習するためにおすすめの勉強方法を有料・無料ともにまとめていきます。数ある勉強方法のなかでも、現役データサイエンティストの目線から合格が叶う手段を厳選していきます。

統計検定のおすすめ講座

統計検定のための有料講座は多くなく、Udemyの講座活用をおすすめしています。

統計検定2級対策講座

講座名統計検定2級対策講座
内容統計検定2級の受験を検討している方のための統計学基礎講座です。約9時間の動画レクチャーと200問以上の小テストを通じて、統計学の基礎に関する「理解」と「習熟」を目指します。
費用20,000円
時間9時間4分
著者名Miyamoto Shota
評価・口コミ(Udemy)4.5 / 5(255件の評価)
受講者数(Udemy)2433人
*2022年6月時点

Udemyのなかで唯一の統計検定対策講座です。カリキュラムでは記述統計・確率統計・推測統計・仮説検定と網羅的に範囲をカバーしています。

9時間とボリュームも豊富ですし、受験の出題範囲に適した200問以上の小テストもあることから、インプットのみだけでなくアウトプットまでをまるっと動画講座のなかで学べることがおすすめのポイントです。

はじめての統計(推定・検定編) ~記述統計から推測統計へ!しっかり9時間、97レクチャーでデータ時代の入場券を手に入れる

講座名はじめての統計(推定・検定編) ~記述統計から推測統計へ!しっかり9時間、97レクチャーでデータ時代の入場券を手に入れる
内容データサイエンス時代にまず押さえるべきデータの扱い方・見方を扱った統計講座。データをどう要約し、分かりやすく伝えるのか(記述統計)から、そのデータから母集団について何が言えるのか(推測統計)まで、丁寧に統計的発想を身に付けます
費用24,000円
時間8時間44分
著者名丹羽 亮介
評価・口コミ(Udemy)4.6 / 5(23件の評価)
受講者数(Udemy)268任

先述に通り、統計検定の2級は推定や仮説検定配点が多く、特に深い理解が必要になってきます。

統計検定のおすすめ本・参考書・過去問

難易度(低・3~2級):完全独習 統計学入門

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書籍名完全独習 統計学入門
費用1,980円
著者名小島 寛之
評価・口コミ(Amazon)4.3 / 5 (522個の評価)

2級の公式テキストである「」の特徴は、数式よりも国語的な理解を促す書籍です。ボリュームも少なく、1日でも読み切れるレベルの分量です。

統計学の初学者で統計学の前提知識が全くない方や、「まずは数式よりは文字で把握したい」という方にとっては非常におすすめです。

ただし、統計検定2級以上の試験範囲をこの1冊のみでカバーするのは難しいでしょう。統計検定2級は数式を使って解く問題が多いため、細かい数式の意味の理解は必須となります。

難易度(中・2級):統計学入門 (基礎統計学Ⅰ) 

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書籍名統計学入門 (基礎統計学Ⅰ) 
費用3080円
著者名東京大学教養学部統計学教室
評価・口コミ(Amazon)4.2 / 5 (266個の評価)

東京大学が出版している統計学基礎の古典的な名著です。出版年の1991年から30年間改訂が続けられており、「仮説検定」「確率統計検定2級の範囲を網羅的に解説しています。

統計学入門 (基礎統計学Ⅰ) の特徴は、数式の説明が丁寧にされていることです。

数ⅡB、数ⅢCレベルの数学の前提知識ある方はこちらから取り組むのもよいかもしれません。

逆に初学者が手に取る場合はある程度時間をかけて理解する必要があるため、心配な方はまず統計学の基礎を上記の「完全独習 統計学入門」で学んだのちに、深堀のためにこちらの本を活用するとよいでしょう。

難易度(高・準1級):日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック

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学術図書出版社
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書籍名日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック
費用3,080円
著者名学術図書出版社
評価・口コミ(Amazon)4.3 / 5(103個の評価)

前提として、準1級は2級以上試験範囲が広いです。統計検定準1級の公式のテキストであり、準1級に絞っての学習ができることが大きなメリットです。

ある意味、「ここに載っている分野以外は出ない」ともいえますし、使わない場合は他の本も活用して分野をかいつまんで学習する必要がでてきます。

各分野の章末に練習問題があるため問題演習を繰り返して反復して試験に望めるようになります。

難易度(高・1級):現代数理統計学の基礎 (共立講座 数学の魅力

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¥3,520 (2024/05/12 21:42:43時点 Amazon調べ-詳細)
書籍名現代数理統計学の基礎 (共立講座 数学の魅力)
費用3,520円
著者名久保川 達也
評価・口コミ(Amazon)4.3 / 5 (60個の評価)

1級の試験範囲が網羅的にまとまっている参考書です。上記の東京大学出版の「統計学基礎」よりは1級範囲との整合性が高く、章末問題も多く含まれているとの記載もあり統計検定1級の対策をする際は有効といえるでしょう。

ただし、証明のなかには省略されている箇所もあり、難易度として数学知識が相当ある上級者向けの本です。

過去問:日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集

書籍名日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2018〜2021年] 
費用1,980円
著者名日本統計学会
評価・口コミ(Amazon)4.2 / 5 (48個の評価)

過去問は日本統計学会から出版されている公式の過去問を活用しましょう。直近3年分・6回の試験が載っており、ボリューム感としても申し分ありません。問題集を3周できれば合格点は獲得できる水準となるでしょう。

おすすめサイト

ここからはUkatta編集部がおすすめする「統計検定の対策ができる」あるいは「統計学が学べるサイト」を紹介します。

サイトを活用した学習のメリットは「無料で使えること」でしょう。加えて、専門家監修の統計専門の学習サイトも少なくなく、資格学習に限らず統計の基礎知識全般の補填に役立ちます。

統計WEB

サイト名統計WEB - 統計学、調べる、学べる、BellCurve(ベルカーブ)
サイトURLhttps://bellcurve.jp/statistics/
運営会社株式会社 社会情報サービス
サイト紹介文統計WEBは、統計解析ソフト「エクセル統計」の開発チームが運営している統計学のウェブサイトです。統計検定2級の取得を目指す人のための学習コンテンツ「統計学の時間」や、自分のレベルに合った参考書が見つかる「書籍紹介」、600を超える統計学の用語を調べられる「統計用語集」の各コーナーがあります。データサイエンスやビッグデータに関わるすべての人に必要な統計学の基礎知識を習得することができます。

統計WEBは統計学の学びの手順を示してくれています。統計学で意外とつまづきがちな「σ」や「δ」などのギリシャ文字の読み方から、2級頻出の「仮説検定」まで基礎~応用まで幅広く、しかも練習問題つきで解説してくれています。

統計WEBの特筆すべき点は、なんといっても統計検定2級の過去問の解説記事が載っていることです。2014年~2021年分までの8年分を6月・11月受験の2回ずつ、計16回分解説されていることからコンテンツの量も申し分なく、もしかすると過去問を買わなくても対策できる方もいるかもしれません。

Hello! Statisticians! - あつまれ統計の森

サイト名Hello! Statisticians! - あつまれ統計の森
サイトURLhttps://www.hello-statisticians.com/
運営会社
サイト紹介文「あつまれ統計の森」では昨今必須スキルともされることの多い「統計学」に関して様々な観点から取り扱います。統計学に関する数学的な議論は難しいとされがちですが、なるべく「本質的な理解」ができるようにそれぞれのトピックに関する内容の作成を行います。

「Hello! Statisticians! - あつまれ統計の森」は学習のロードマップを示してくれるだけではなく、機械学習につかう数学や本、演習問題など幅広く参考になるコンテンツが多く記載されています。

「あつまれ統計の森」の特筆すべき点は、なんといっても統計検定3級の過去問の解説記事が載っていることです。2018年~2021年分までの3年分(2020年は除く)を6月・11月受験の2回ずつ、計6回分解説されていることからコンテンツの量も申し分なく、もしかすると過去問を買わなくても対策できる方もいるかもしれません。

著者はUdemyで「Pythonで実践する統計モデリング入門」などの講座も開講しておりますので、気になる方はぜひこちらもチェックしましょう。

AI AVILEN TREND

サイト名AVILEN AI Trend | AI特化型メディア
サイトURLhttps://ai-trend.jp/
運営会社株式会社AVILEN(アヴィレン)
サイト紹介文最新のAI(人工知能)情報をAIトレンドとして、わかりやすくお届けするWebメディアです(毎日更新)。ディープラーニング開発・AI人材育成を手掛ける株式会社AVILENが運営しています。機械学習・統計学・Pythonなどの学習記事も満載です。

AVILEN AI Trendはリニューアル前は「全人類がわかる統計学」というサイト名で知られており、基礎から応用の統計学の知識を網羅しています。

AVILEN AI Trendの特徴は、学問としての統計学の知識だけではなく、ニューラルネットワークなどのAI・機械学習の分野、さらにR、Pythonなどのプログラミング領域まで実務まで踏み込んで解説したり、講座を提供している点です。

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この記事を書いた人

「Ukatta!」は資格を一覧、検索できる資格のデータベースサイトです。コンテンツは専門家の監修・指導を受けながら、執筆・編集しています。読者に資格学習のきっかけやモチベーションを提供することで、最短合格を支援します。

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